地震、台風、津波といった自然災害は、いつ起きるかわかりません。災害が発生すると食料、物資の不足で多くの人が不自由な生活を強いられます。とりわけ、障害を持つ方は必要な支援が受けづらくなり、体調が悪化するおそれがあります。そうした事態を避けるためには、日頃から障害の特性とそれに合わせた支援法を知ることが大事になります。この記事では内部障害・難病と防災についての情報をご紹介します。
目次
・内部障害、難病の特性
・日常の備え
・日常的に備える物
・避難時の持ち物
・災害が発生した時
・支援する方が気を付けること
・まとめ
内部障害、難病の特性
内部障害、難病の特性は次の通りです。
・内部障害は体の内部機能の障害です。
・難病は原因不明・治療方法が未確立かつ希少な病気です。
・外見から障害、病気が分かりにくい。
・自力歩行や素早い行動が困難な場合があります。
・医薬品の携帯や人工呼吸器などの医学的援助が必要な場合があります。
日常の備え
日常の備えは次の通りです。
・家具は固定、ガラスには飛散防止フィルムを貼ります。
・もし家具が倒れてきてもケガをしない配置します。
・高い場所に物を置きません。
・窓から離れてカーテンを閉めて就寝します。
・玄関、廊下、ベランダなど避難経路に余計なものを置きません。
・非常時持ち出し袋を一定の場所に置きます。
・避難方法、連絡手段を家族、地域の人と考えます。
・避難行動要支援者名簿の登録を検討します。
・ヘルプカードを作成します。
・ハザードマップを確認します。
・避難訓練に参加します。
・複数の避難経路を考えます。
・かかりつけ医に災害が発生した場合について相談しておきます。
・災害発生時、かかりつけの医療機関と連絡が取れないことを考えて、緊急の支援が得られる医療機関のリス
トを作ります。
・災害発生時、緊急の支援が得られる医療器メーカーのリストを作ります。
・薬、装具の内容（メーカー名、品名、サイズ）を記したメモを作ります。
日常的に備える物
日常的に備える物は次の通りです。
最低３日～７日分のレトルト食品、缶詰、即席めん、飲料水、カセットコンロ、ガスボンベ、紙皿、紙コップ、ウエットティッシュ、簡易トイレ、消臭剤、抗菌剤、トイレットペーパー、常備薬、お薬手帳、障害者手帳、貴重品（現金、保険証、キャッシュカード等）、懐中電灯、携帯ラジオ、乾電池、ヘルメット、雨具など
なお、補助犬（盲導犬、聴導犬、介助犬）と一緒に避難所に行き、共に避難所生活を送ることができます。ペットも避難所に連れていくことはできますが、人と別の場所で生活することになります。
避難時の持ち物
避難時の持ち物は上述の「日常的に備える物」に加えて次の物です。
・普段服用している薬
・普段使用してる装具（予備電源・バッテリー、アンビューバック、液体酸素ボンベ、ストーマ用具など）
・障害者手帳、健康保険証
・災害発生時、緊急の支援が得られる医療機関のリスト
・災害発生時、緊急の支援が得られる医療機器メーカーのリスト
・ヘルプカード
・薬、装具の内容（メーカー名、品名、サイズ）を記したメモなど
災害が発生した時
災害が発生した時は次の通りです。
・落ち着いてテレビ、防災無線、ラジオ、ラジオアプリなどで情報の収集に努めます。非常時には事態を軽く
考えてしまう正常性バイアスに陥らないように情報収集を心がけて下さい。
・避難するときは周囲の人に支援を受けます。
・ヘルプカードなどで周囲の人に自分の障害、病気のことを伝えて必要な配慮を求めます。
・できるだけ早く医療機関と連絡を取ります。
支援する方が気を付けること
支援する方が気を付けることは次の通りです。
・外見から障害、病気が分かりづらいので本人、家族から必要な配慮を教えてもらいます。
・かかりつけ医や医療機関との連絡方法を確保します。
・病状によって医療機関に移送します。
・食事、飲み物に制限がある方がいるので配慮します。
・医療行為が必要な方がいるので衛生的な環境を整えます。
・障害者用トイレの必要な方がいますので配慮が必要など。
参考：「ＮＨＫ災害時障害者のためのサイト」、各自治体のホームページなど
まとめ
内部障害・難病と防災についてご紹介してきました。多くの人が障害の特性を知ることで、災害による被害を最小限にしましょう。