相続税の障害者控除について

障害者手帳を持っていると多種多様なサービス、優遇措置が受けられます。その中の一つが相続税の障害者控除です。この記事では相続税の障害者控除についてご紹介します。

目次

・相続税の障害者控除とは

・対象者

・控除額

・申請方法

・まとめ

相続税の障害者控除とは

相続税の障害者控除とは、障害を持っている方が相続をした際に相続税の負担が軽減されることです。相続人が障害を持っている場合に控除できるのであって、財産を相続される死亡者が障害者の場合、相続人は相続税の控除はできません。

対象者

対象者は障害を持つ85歳未満の相続人で以下のすべてに該当する方です。

 

〇財産取得の際、日本国内に住所があること。ただし、財産を相続される側が外国人被相続人または非居住

 被相続人、相続人が一時居住者の場合を除きます。

 

・外国人被相続人

 相続開始時に在留資格があり日本国内に住所がある。

 

・非居住被相続人

 相続開始時に日本国内に住所を持たない被相続人で次のいずれかに該当する方

 a.相続の開始前10年以内に日本国内に住所を持ち、その期間日本国籍を持っていない

 b.相続開始前10年以内に日本に住所を持っていない

 

・一時居住者

 相続開始時に在留資格を持ち、相続開始前の15年以内に、日本国内に住所を持つ期間の合計が10年以下

 である。

 

〇財産取得時に障害者である。障害者は一般障害者と特別障害者に分かれます。

 

 一般障害者は次のいずれかに該当する方です。

1.児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センター、精神保健指定医に知的障害者と判定された

  人で重度知的障害者以外の方

2.精神障害者保健福祉手帳2~3級の方

3.身体障害者手帳3~6級の方

4.戦傷病者手帳の所持者で一定の条件に該当する方

5.常に就床を要し複雑な介護を要する方で精神または身体の障害の程度が1または3に準ずるものとして市

  町村等の認定を受けている方

6.65歳以上で精神または身体の障害の程度が上記1または3に準ずるものとして市区町村等の認定を受け

  ている方

 

  特別障害者は次のいずれかに該当する方です。

1.常時、精神上の障害により物事の判断力にかける方、または児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保

  健福祉センター、精神保健指定医に重度知的障害者と判定された方

2.精神障害者保健福祉手帳1級の方

3.身体障害者手帳1~2級の方

4.戦傷病者手帳の所持者で一定の条件に該当する方

5.原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律の規定により厚生労働大臣の認定を受けた方

6.常に就床を要し複雑な介護を要する方で、精神または身体の障害の程度が上記1または3に準ずるものと

  して市町村等の認定を受けている方

7.65歳以上で精神または身体の障害の程度が上記1または3に準ずるものとして市町村等の認定を受けて

  いる方

 

〇財産を取得した方が法定相続人であること。法定相続人の範囲は、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉

 妹などです。

控除額

控除額は次の通りです。

 

・一般障害者の場合 85歳になるまで1年につき10万円

・特別障害者の場合 85歳になるまで1年につき20万円

 

1年未満の期間は1年として計算します。

 

例:一般障害者  相続開始の時、相続人は50歳4か月

         1年未満の期間は1年とするので、50歳4か月は51歳とする

         (85歳-51歳)×10万円=340万円

 

  特別障害者  相続開始の時、、相続人は50歳4か月

         1年未満の期間は1年とするので、50歳4か月は51歳とする

         (85歳-51歳)×20万円=680万円

 

なお、相続額より障害者控除額が大きくて控除額の全額が引けない場合、引けなかった金額を障害者の扶養義務者の相続額から差し引きます。

 

・扶養義務者:配偶者、祖父母、父母、子、孫、兄弟姉妹、3親等内の親族

申請手続き

申請手続きは、財産を残した方の死亡日の翌日から10か月以内に相続される方の住所地を管轄する税務署に必要書類を提出します。

必要な書類

必要な書類は次の通りです。

 

・相続税申告書(同申告書の第6表「未成年者控除額・障害者控除額の計算書」に必要事項を記入)

・対象となる障害者であることを証明する書類(障害者手帳のコピーなど)

まとめ

相続税の障害者控除についてご紹介してきました。ご利用を考えている方は参考にしてみて下さい。