同行援護(障害福祉サービス)について

病気や事故で障害を負った方の中には、自分が受けられる公的サービスはあるだろうかと疑問や不安をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。そうした疑問や不安に応える制度の一つが障害福祉サービスです。この記事では障害福祉サービスの一つである同行援護についてご紹介します。

目次

・同行援護とは

・対象となる人

・サービス内容

・利用者負担

・申請の流れ

・まとめ

同行援護とは

同行援護とは、視覚障害により著しく移動が困難な人のために外出のサポートをするサービスです。

対象となる人

対象となる人は次の通りです。

 

・視覚障害により、移動に著しい困難を有する障害者等であって、同行援護アセスメント調査票による、調査

 項目中「視力障害」、「視野障害」及び「夜盲」のいずれかが1点以上であり、かつ、「移動障害」の点数が1

 点以上

 ・障害支援区分の認定は不要です

 

身体介護を伴う場合は次のいづれにも該当する人です。

 

・障害支援区分2以上

・障害支援区分の認定調査項目のうち、「歩行」「移乗」「移動」「排尿」「排便」のいずれか1つ以上に認定され

 ている

 

障害支援区分とは、障害の特性、心身の状態に応じて必要とされる標準的な支援の度合いを示したものです。区分は1~6の6段階に分かれています。区分によって受けられるサービスが異なります。

サービス内容

サービス内容は次の通りです。

 

・移動時や外出先で必要な視覚的情報の支援(代筆、代読を含む)

・移動時や外出先での移動の援護

・外出する前後に行われる衣服の着脱、介助など外出するために必要な援助

 

〇利用できる外出

・社会生活上、必要な外出

・役所などでの各種手続き、相談

・金融機関の利用、医療機関の受診、入院または見舞い

・その他上記に準じる外出

 

〇余暇活動など社会への参加促進のための外出

・居住している地域で開催される催しや研修会などに参加

・利用者の子供の学校行事への参加のための外出

・買い物や理美容のため

・習い事やサークル活動のため

・散歩

・その他上記に準じ、社会参加の観点から適当と認められた外出

 

〇利用できない外出

・通学、通勤

・ギャンブル、飲酒などの目的

・特定の利益を目的とする宗教団体、政治団体を支援するための外出

・介護者、道路運送上の許可を受けていないヘルパーや事業者が運転する車を利用した外出(タクシー可)

利用者負担

利用者負担は次の通りです。

 

〇原則:費用の1割負担、食費、光熱費など実費は利用者負担です。

 

〇利用者負担は1か月あたり上限額が設定されています。上限額を超えた利用者負担はありません。上限額は世帯の収入状況で決まります。

 

・世帯の考え方

a18歳以上の障害者の場合(施設に入所する18歳、19歳を除く):障害者本人と配偶者

b18歳未満の障害児の場合(施設に入所する18歳、19歳を含む):保護者の属する世帯

 

〇障害者の利用負担の上限

 

区分     世帯の収入状況       負担の上限額

生活保護   生活保護受給世帯           0円

低所得⋆1  市町村民税非課税世帯          0円

一般1⋆2  市町村民税課税世帯        9300円

一般2    上記以外           37200円

 

⋆1 3人世帯で障害基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象

⋆2 所得割16万円未満、収入が概ね600万円以下の世帯が対象になります。20歳以上の入所施設利用者、グル

  ープホーム利用者は一般2に該当します。

 

 

〇障害児の利用者負担の上限

 

区分     世帯の収入状況           負担の上限額

生活保護   生活保護受給世帯              0円

低所得   市町村民税非課税世帯             0円

一般1⋆1  市町村民税課税世帯        

      通所施設、ホームヘルプ利用の場合    4600円

      入所施設利用の場合           9300円

一般2    上記以外              37200円

 

⋆1 所得割28万円未満、収入が概ね890万円以下の世帯が対象になります。

 

〇その他にも軽減措置があります。

 

・高額障害福祉サービス等給付費

上記の他に同一世帯に障害福祉サービス利用者が複数人いたり、障害福祉サービスや介護保険サービスなどを複数利用している場合に、1か月の利用者負担額を軽減します。

 

・補足給付費

施設入所者に対して食費、光熱水費の負担軽減、グループホームの家賃補助などを軽減します。

申請の流れ

申請の流れは次の通りです。

 

1・市区町村の障害福祉担当窓口に申請します。

  「サービス等利用計画案提出依頼書」が交付されます。

         ↓

2.サービス等利用計画案の作成依頼

  相談支援事業所に「サービス等利用計画案」の作成を依頼します。その後、相談支援専門員が自宅に訪問

  します。この時「サービス等利用計画案提出依頼書」を手渡します。

         

3.障害支援区分認定調査

  市区町村のの認定調査員が自宅を訪問し、日常生活、就労、障害の状態、介護者の状況などを調査しま

  す。

         

4.一次判定(市区町村)

  上記3の調査結果をもとにコンピュータで判定します。

         

5.二次判定(市区町村の障害支援区分認定調査会)

         

6.障害支援区分の認定

  障害支援区分に該当、非該当が決まります。該当者には市区町村から「区分認定通知」が送付されます。

         

7.サービス等利用計画案の作成

  認定結果をもとに相談支援専門員が「サービス等利用計画案」を作成し、申請者の了承を得た後、市区町

  村に提出します。

         

8.支給決定

  市区町村は障害支援区分、上記7の計画案をもとに支給するか否かを決定します。支給決定の場合は「受

  給者証」を送付します。

         

9.サービス担当者会議

  相談支援事業所で担当会議が開かれ「サービス等利用計画」を作成し、申請者の了承を得た後、市区町村

  に提出します。

         

10.サービスの利用を開始

  サービス提供事業者と契約を結び、サービス利用開始となります。

まとめ

同行援護についてご紹介してきました。この記事は概要をお伝えしているので、利用をご検討されている方はお住いの市区町村の担当窓口で詳細をお問い合わせください。