病気や怪我で体に障害を持ち義肢、義足などの補装具が必要な場合があります。そうした補装具が必要な人向けの障害福祉サービスに補装具の支援があります。この支援を活用することで補装具にかかる経済的負担を軽くすることができます。この記事では補装具の支援についてお伝えします。
目次
・補装具とは
・対象となる人
・補装具の要件
・補装具の種類
・自己負担額
・補装具費の申請方法
・補装具費の請求方法
・必要な書類
・補装具の借受け支援
・まとめ
補装具とは
補装具とは失われたり、損なわれた身体機能を補完・代替し、毎日かつ長い期間使用される用具です。義肢・装具・安全杖などが該当します。補装具の支援とは補装具の購入費を支援することです。
対象となる人
対象となる人は次の通りです。
・身体障害者手帳を所持している障害者、障害児
・障害者総合支援法の対象となっている難病患者等
補装具の要件
補装具の要件は次の3つです。
1.障害ごとに対応して設計、加工されており、身体の欠損若しくは損なわれた身体機能を補完、代替す
るもの
2.同一製品を継続して使用するという条件があり、身体に装着して日常生活、就労、就学に使用するもの
3.医師などの診断書や意見書に基づいて使用されるもの
補装具の種類
補装具の種類は次の通りです。
障害の種類 |
種目 |
---|---|
肢体不自由 |
義肢(義手、義足)、装具、座位保持装置、車いす、電動車いす、歩行器、歩行補助つえ(カナディアン・クラッチ、ロフストランド・クラッチ、多点杖、松葉杖) ※18歳未満のみ:座位保持いす、起立保持具、頭部保持具、排便補助具 |
重度の肢体不自由かつ音声・言語障害 | 重度障害者用意思伝達装置 |
視覚障害 | 盲人安全つえ、義眼、眼鏡(矯正眼鏡、遮光眼鏡、コンタクトレンズ、弱視眼鏡) |
聴覚障害 |
補聴器 高度難聴用(ポケット型、耳かけ型)、重度難聴用(ポケット型、耳かけ型)、耳あな型(レディメイド、オーダーメイド)、骨導式(ポケット型、眼鏡型) |
引用:「千葉市」ホームぺージ
利用者負担
利用者負担は原則1割です。ただし、世帯収入による所得制限があります。
・世帯の考え方
a18歳以上の障害者の場合:障害者本人と配偶者
b18歳未満の障害児の場合:保護者の属する世帯
世帯収入 負担上限額
生活保護 生活保護受給世帯 0円
低所得 市町村民税非課税世帯 0円
一般 市町村民税課税世帯 3万7千200円
補装具費の申請方法
補装具費の申請方法は次の通りです。
1.市町村に申請
↓
2.市町村は身体障害者更生相談所などの意見を聴取し、補装具費の支給について審査します。
↓
3.審査の結果、適切な人に「補装具費支給券」を交付します。
必要な書類
必要な書類は次の通りです。
・補装具(購入・借受け・修理)支給申請書
・補装具の見積書
・医師の意見書(必要な場合)
補装具費の請求方法
補装具費の請求方法には償還払方式と代理受領方式があります。
〇償還払方式
1.補装具の購入時、補装具業者に補装具費支給券を提示し、購入費を全額自己負担します。
↓
2.領収書に補装具費支給券を添付して市町村に提出します。
↓
3.購入費用から自己負担額を差し引いた金額を受け取ることができます。
〇代理受領方式
1.補装具業者に代理受領に関する委任状と補装具費支給券を手渡します。
↓
2.補装具業者は市町村に購入者から預かった委任状と補装具費支給券を提示し、補装具の給付費と同額の金
額の支払い請求をします。
↓
3.補装具業者は購入者に支給されるべき金額を受け取ります。
補装具の借受け支援
〇補装具費は購入以外に借受けでも支給されます。要件は次の通りです。
・身体の成長によって短期間のうちに補装具の交換が必要になると認められる場合
・障害の程度が進行することが予測され、補装具の使用期間が短く、交換などが必要と認められた場合
・補装具の購入について、複数の補装具などの比較が必要であり、借受けが適当であると認められた場合
〇対象となる補装具
・義肢、装具、座位保持装置の完成用部品
・重度障害者用意思伝達装置
・歩行器、座位保持椅子
〇補装具費の支給
補装具費の支給は借受け期間中、毎月支給されます。補装具費支給券は借受け期間の初月に期間の月数分、支給決定書と一緒に交付されます。
〇期間
原則1年間です。ただし、市町村、身体障害者更生相談所の判断で約1年ごとに判定、支給決定を行うことで、約3年間まで補装具の交換までの期間を延長できます。
〇借受期間の終了後、次のいずれかを選択できます。
・補装具について購入
・借受けによる給付
〇申請方法は購入の場合と同じです。
まとめ
補装具の支援についてお伝えしました。補装具の使用を考えている方は、この制度を利用して少しでも経済的負担を軽くしましょう。